馬について

性格・性質
馬は体が大きいのですが、おとなしく、優しい性格の生き物です。
ただとても怖がりな動物なので、馬の近くで大きな声を出して騒いだり、急に走ったりすると驚いてしまいます。 馬に近づく時はやさしく声をかけたりしながら安心させてやりましょう。
こちらが怖がったりすると馬も不安な気持ちになってしまうので、落ち着いた気持ちで接してあげて下さい。 馬にあいさつをしたり、ほめる時には首筋のあたりをやさしく撫でたりポンポンと軽くたたいてあげて下さい。 とても記憶力が良いので、優しい人の事はよく覚えてくれますよ。


馬の視野はとても広く約 350°見る事ができます。ただ真正面は焦点を合わせにくく、真後ろの約 10° も死角になってしまいます。 ですから、お尻の後ろにまわると驚いて蹴ったりする事もあるので注意をしましょう。 顔の正面にも急に手をかざしたりしないようしてあげて下さい。 
遠くを見る時は頭を下げて、近くを見る時は頭を上げてピント調整をします。 
また色を見分ける事もできますが、赤系の色は苦手のようです。


馬はとても耳の良い生き物です。 
左右の耳を別々に色々な方向に動かす事ができ、常に周囲に注意を配っています。 また表情だけではなく、耳の動きに感情が表れるのでよく観察してみましょう。


馬は嗅覚もすぐれており、仲間を識別したり食べ物を見つけたりするのに役立てています。
乳や青草や果物などの甘い香りを好みますが、刺激的な臭いや酸っぱい臭いも嫌います。
香水の臭いもあまり好きではないので、馬に近づく時は控えめにしましょう。


馬の口の中には大人の馬の場合上下合わせて12本の前歯、24本の奥歯があります。 雄馬には4本の犬歯もありますので合計雄40本、雌36本の歯が生えています。 前歯で食べ物を咬みちぎり奥歯ですりつぶすようにして食べます。 5歳ぐらいで乳歯から永久歯に生え変わり年齢とともにすり減っていきます。 歯のすり減り具合を見る事でおおよその年齢を判別する事ができます。 前歯と奥歯の間には歯のない部分があり、この部分にハミという道具をくわえさせてハンドルとブレーキの合図を伝えます。


馬の体格や体型は品種や個体、年齢により差があります。 体の大きさや毛の色などでさまざまです。 品種は大別して軽種・中間種・重種の3つに分かれます。
日本でもっともポピュラーなサラブレッドは軽種に分類されます。 主な毛色には栗毛・栃栗毛・鹿毛(かげ)・黒鹿毛・青鹿毛・芦毛・駁毛(ぶちげ)などがあります。
白斑(はくはん・顔や四肢の白い紋様)や施毛(せんもう・人間の頭のつむじと同様)などの大きさ・場所・数などと合わせて個体の識別をしています。


通常馬の肢と呼ばれている部分は、前肢は人間の肘から先の部分、後肢は膝から下の部分にあたります。 太古の馬の祖先には指がありましたが、進化の過程の中で現在の一本指の蹄(人間の中指と爪に当あたる形) になったと言われています。 蹄は1ヶ月に約1pほど伸びるので、切ったり削ったりして形を整えて裏には蹄鉄をはかせます。 馬の歩法(走り方)には、常歩(なみあし)・速歩(はやあし)・駈歩(かけあし)・襲歩(しゅうほ) の4種類あり、全力疾走する襲歩だと競走馬の場合約70kmのスピードが出ます。

健康
馬も人と同じように病気にかかります。人のかかる病気はほとんど馬もかかります。むしろ人よりもデリケートと言えるでしょう。 馬の病気で最も多いのがせん痛というはら痛で、もちろん風邪をひいたり夏には熱射病になりこともあります。 
馬の体温は人よりもやや高く、平静時で37.5〜38℃ぐらいです。 馬は汗をかくことができるので、人と同じように汗をかいて体温調整をします。 心拍数は1分間に35〜40回ぐらい、呼吸数は10回前後です。 睡眠時間は3時間ほどで、平均寿命は25歳ぐらいです。

表情・感情
馬は口がきけませんが、体全体で気持ちを表現します。 
特に耳は馬の感情が表れやすい部分です。
前方に向けて耳をピンと立てている → 何か特定の対象に対して強く興味を引かれたり注意をはらっている状態です。見慣れない物や音がする時にします。
耳を後ろにぐっと倒す → 不愉快な時や機嫌が悪い時です。怒っていて攻撃的になっているので注意が必要です。  
両耳の力が抜けて下向きになっている → リラックスして落ち着いている状態です。
鼻をビローンと伸ばす → かゆい部分をかいてもらったりして気持ちが良い時にこの表情を見せます。
地面を前肢でかく → 前がきと言って欲求を表現しています。食べ物や水が欲しい時によくします。
上唇をめくりあげる → 笑っている訳ではなく、フレーメンと言って性的興奮を感じたり刺激のある珍しい匂いをかいだ時などにします。